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2006年10月8日 - 2006年10月14日

2006年10月12日 (木)

さまざまな沖縄〜『沖縄ストーリーズ』〜

沖縄ストーリーズ Book 沖縄ストーリーズ

著者:砂守 勝巳
販売元:ソニーマガジンズ
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沖縄にはじめていってから、かれこれ10年以上になる。そして、沖縄への渡航もおそらく20回は超えてしまっているだろう。それでも、いまだに沖縄に行くたびに新しい発見がいくつもあり、その分だけ沖縄がわからなくなってしまう。それだけ、沖縄は、多様なのだろう。そんなことを、再認識させてくれた一書である。

自分の眼や他人の眼を通してその沖縄を俯瞰・鳥瞰し、凝視し、細かな日常的な事柄や人びとに接していく。そうすると、今まで築きあげた自分の「沖縄観」がその都度、覆されてしまう。それは、まさに快感でもある。

沖縄には、実にさまざまなひとが住んでいる。本書に登場する人びとは、例えば外国人であったり、奄美大島や本土出身者であったりする。米国(主として軍務として)や本土から沖縄にやってきて、沖縄人と出会い、結婚。そこを終の棲家に定めて、沖縄という地域に生きる者もいる。あるいは、何度かの沖縄旅行の果てに沖縄に長期移住した者。しかし、そのうちの何人かは、ふたたび本土に帰っていく。そして、本書の著者砂守氏は、米軍軍属として基地に駐留していたフィリピン人を父に、奄美大島から沖縄に働きに出てきた女性を母にもち(p10)、沖縄島中部の基地の街で生まれている。その後、母の故郷の奄美にわたり、大阪・東京都移り住み、写真週刊誌のカメラマンなどをしていた。そして、現在は沖縄で暮らしているという。

そのあたりの経緯は、同じく砂守氏の作品『沖縄シャウト』(講談社文庫、2000年)に詳しい。それによると、砂守氏は20代の一時期、プロ・ボクサーとしてリングに立っていたこともあるという。その時から思っていたことであるが、砂守氏の地球の周辺的な存在にむけるまなざしはとても優しい。そして、描き方も丁寧だ。

そんな砂守氏にならって、わたしもまた、沖縄のもつさまざまな顔にひとみをむけていきたいとおもう。わたしの沖縄ではない沖縄を、常に意識して、探し、発見し、話しを聞き、描いていきたいと思う。

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