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2007年10月7日 - 2007年10月13日

2007年10月11日 (木)

ふるさとの言葉〜長井健司さんの遺志〜

テレビから,不意にふるさとの言葉が聞こえてきた。ビルマ(ミャンマー)で,射殺された長井健司さんの遺骨が,ふるさと近くの空港に帰ってきたのだ。遺骨を抱いた長井さんのおかあさんがテレビ局のインタビューに答えている。

「(遺体が)ひこずられていたでしょう。(軍事政権は,息子を)人間あつかいしていないように思いました。人間扱いじゃない。人間としてもう少し普通の国になってほしい。」

「ひこずる」。わたしのふるさと・伊予の訛で「引きずる」の意。テレビのナレーションは,「おかあさんの怒り」と表現した彼女の発言は,わたしには,深い悲しみを湛えたニュアンスのように思えた。

続いて,お父さんは次のように言う。

「残念。………。ただそれだけ。何を言っても,意味ない。」

そう。そんなに自覚していないが,わたしたち愛媛の人間は「意味ない」という言葉をよく使う。しかし,本当は「意味ない」などとは思っていない。お父さんの,この言葉に,お父さんがわたしは,たぎる怒りの感情を,必死で深く鎮めようとしているのを感じた。

訛。ふるさとの言葉は,他郷の人々にはわからない,微妙なニュアンスを同郷の者たちにだけ,伝える。

言いようもなく,悲しい。ただただ,悲しいだけだけれど,わたしたちは長井さんの遺志を,自分たちのできるかたちで,受け継いでいかなければならない。そして,自分の言葉で,あふれ出る感情を押し殺しながら,語った,長井さんのご両親の,その姿を心に刻んで,“あした”に踏み出さなければならない。

なくなれ,独裁政権。なくなれ,暴力。

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