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2008年8月31日 (日)

亀裂〜福音主義教会連合の歴史認識〜

こんな、サイトを見つけた。「日本基督教団(日本キリスト教団)資料」。いったい誰が作成したサイトなのか、一切、記載がない(怪文書ならぬ怪HP?)。ただ、ただし書きとして、「『教団紛争に関する資料集』を開始しました」とだけある。

内容は、

 (1)聖餐の乱れに関する資料集

・未受洗者の陪餐に関する信仰職制委員会の答申 (06年6月)
・2007年10月常議員会 議案「K教師に対し日本基督教団の教師退任を勧告する。」
・この間の常議員会に於ける経過と討議資料 (pdfファイル/07年10月)
・神奈川教区 聖餐についての学習会における発表 (07年7月)
・聖餐についての協議会発題 (05年7月)
・N教会報より (pdfファイル/07年12月)
・寛容論の現代的な誤解 (08年3月) 
・日本基督教団における未受洗者への配餐の問題 (pdfファイル/08年3月) 
・正確な議論を求める (08年5月) 
・声明  引用は正確に、適切に! (08年5月) 

 (2)「教団紛争」に関する資料集

・実録 教団紛争史 (1) (pdfファイル/07年7月〜08年7月)

最後の文書は、(1)だけではない。著者は「日本基督教団常議員」「福音主義教会連合常任委員」の小林貞夫氏。内容は、

第一章 教団紛争の輪郭    (『福音主義教会連合』№361、2007. 7.10)
第二章 教団紛争の前史    (『福音主義教会連合』№363、2007. 9.10)
第三章 暴発=九・一、二事件 (『福音主義教会連合』№365、2007.117.10)
第四章 教団の質的崩壊    (『福音主義教会連合』№367、2008. 1.10)
第五章 暴力の嵐・一九七〇  (『福音主義教会連合』№369、2008. 3.10)
第6章 教団史の空白      (『福音主義教会連合』№371、2008. 5.10)
第7章 クーデターと教師検定 (『福音主義教会連合』№373、2008. 7.10)

冒頭に「執筆の動機」がある。日本基督教団の歴史の半分以上は「教団紛争の歴史」であり、その体験者として「事実」を記して、現行の教団の記録を「紛争を意図的に隠」したものとして、それを糾そうとするものだという。

この論考は、一見すると歴史記述の体裁をとっているが、厳密な意味での、あるいは、学問的な意味での「歴史」ではない。それは、小林氏本人が述べているとおり、「体験談」に過ぎない。

その理由はいくつかあるが、最大の理由は、次の如し。本稿で、小林氏は教団紛争にかかわった人々を「問題提起者」「教会派」「中間派」の単純に分類している。これらのなかには、一般の、ごく普通の信徒へのまなざしは見られない。それはそれとして、結果的に、小林氏は「問題提起者」からの事情聴取(直接聞き取りをするとか、彼らの言動を紹介し、公平に批判するとか)をまったくしていないし、彼らのやってきたことを「暴力」として切り捨て、正当に評価・批判するような気はさらさらないようだ。

その一方で、「教会派」、つまり福音主義教会連合の言動の対してはほとんど歴史的評価を蜂起しているようだ。つまり、史料批判や吟味といった正当な手続きをまったく経ないまま、一方の主張を只一方的に述べているに過ぎない。

しかし、学ぶべき点もいくつかあった。わたし自身はその「紛争」を「体験」していないのだけれど、その過程でどんな立場に立った人々にも多少の違いはあるが行きすぎがあったことは事実だろう。それから、その時生じた対立は非常に感情的なものに発展しており、それを修復することは困難であること。また、一方的ではあるが、福音主義教会連合の主張の一端に触れることができた。それをもとに、小林氏の言う「問題提起者」や「中間派」のひとたちの主張を総合し、歴史を構造化していくのは、わたしたち歴史家の仕事かもしれない。

 

 

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コメント

>歴史を構造化していくのは、わたしたち歴史家の仕事かもしれない。

わたしたち歴史家といっているあなたは誰?
プロフィールにはなにも記載がないけれど?

投稿: きくち | 2013年7月 3日 (水) 14:30

きくちさん、コメントありがとうございます。

で、そういうあなたは誰ですか?

投稿: one(管理人) | 2013年7月 3日 (水) 14:44

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