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2008年8月19日 (火)

祈りをもって送り出されて………。

その人は、待ち合わせの場所に自家用車を運転してやってきた。最初からお年のことを書くのも失礼かと思うが、御年93歳。白髪の老牧師で、気品と威厳があり、なお、矍鑠(カクシャク)としておられた。戦後一貫して沖縄のバプテストの指導者でっあた、I・S氏。

それから、一時間半。1940年代後半、占領初期の沖縄のキリスト教界について、いろいろ、貴重な話を伺えた。

その中で、終戦直後、伝道者となった方々が、沖縄諮詢会文化部の職員として、当時としては破格の高額の俸給を与えられていたという「伝承」について、事実ではない可能性が深まった。この点は、以前から気にかかっていたことの一つであった。当時の関係者のご家族に話を伺ったり、当事者の手記を読んでいると、当時の伝道者の生活は概して困窮しており、信徒からの農産物の差し入れや諮詢会・民政府、軍政府からの聖書・讃美歌、紙や文房具等の至急の事実はあったようだが、「給料」をもらっていたという記録も、証言も得られなかった。それが、I氏のお話でいよいよ確信に近づいた。

それから、沖縄キリスト聯盟についても、実際の資料をつきあわせての記憶の呼び起こしにねばり強くつきあっていただいた。その結果、いくつか残っていた疑問を解決することができた。

この聞き取り調査の成果については、9月に熊本で行われるキリスト教史学会の全国大会での発表に生かしたいと思っている。

さて、お話の最後にI氏は、目をつぶられ、両手を広げてわたしの前に差し出され、わたしとわたしの研究のために祈ってくださった。こうして、祈りをもって研究の場に送り出されるということは今まであまり経験をしていなかったのだが、大変感激した。そして、責任の重大さに身が引き締まる思いであった。

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