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2009年3月30日 (月)

「守りたい人がいる」からPAC-3配備、そして、「蛍の光」へ

細かな話は省略するが、最近、ある無料動画サイトで韓国の時代劇をよく観ている。「朱蒙」が2話ずつ定期的に配信されている。「朱蒙」はとても面白い。が、今回はその話ではないので、それはまた、後日。気になっているのは、番組中に30秒程度流される「CM」のなかの自衛隊のそれである。

「陸自」のCMのキャッチフレーズは、「守りたい人がいる」。考えると、意味不明です。まず、主語は何だろう。そして、目的語は? つまり、「誰が、誰を、守りたいのか」が全くわからないのです。基本的には、「陸自」へのリクルートを目的としているCMだから、「家族か友人、恋人たちを守りたい人は、陸自へ」ということだろうか。

それから、もっとわからないのは、そのリクルートのシンボルマーク。北海道・本州・四国・九州を図案化したものを両手で大事そうに守ろうとしている。たぶん、自衛隊員の手が日本を守ってるということだろな。そうすると、さきの「守りたい」の主語は自衛隊、目的語は日本ということになる。

しかし、その日本の中には、小笠原も沖縄も入っていない。沖縄には「陸自」がいないから? とも思ったが、調べてみると、沖縄にも「陸自」の基地(演習場)はあり、隊員の募集もしている。なるほど、「陸自」は沖縄を守る気なんかない。小笠原もね。

それで、合点がいったのは、北朝鮮の「飛翔体」に対応するPAC-3の配備だ。4月の初旬の「予定日」にむけて、予告の飛行コースにあたる地域にPAC-3が配備されるらしいが、それとは別に、首都、つまり、東京にも配備されるという。

桜の花を前面に、住宅団地を背景にして、斜め上の虚空のどこかにねらいを定めて、東京・市ヶ谷の防衛省内のグランドに配備されたPAC-3の図は、確かに事態の異常さと、禍々しさを演出している。しかし、本当に異常なことは、つまり、あってはならないことは、実はこの写真の外側にある。

断っておくが、わたしは、自分や家族の命をPAC-3で守ってほしいとも思っていないし、守れるはずがないと考えている。つまり、国民のひとりひとりの命が、いっさい傷 つかず、失われないためには、「飛翔体」をのものを発射させないことだ。戦争の場合もしかり。戦争を起こさない、起こさせないことが、戦争から国民全体の 命を守る、唯一の方法である。

さて、PAC-3は、「飛翔体」の予告コースの真下にある秋田や岩手にも配備されている。これは、もし、万一、予告のコースを「飛翔体」がそれた場合に、それを打ち落とすという名目らしい。そのほかには、東京と首都圏にのみ配備の上、稼働している。しかし、「飛翔体」は本来自由で、どこに行くかわからないのだ。ここに、軍隊の本質が表れている。そう。軍隊は、国民全体を守るためのものではない。軍隊は一義的には国家と体制を守るためのもので、その結果として、副次的にいくらかの国民の命が守られるに過ぎない。

わたしが、違和感を持っているのはそこのところだ。そして、冒頭の「守りたい人」のことにも共通する。「陸自」は、「陸自」として、「自営」の名を冠しながら、東京を中心とする日本本土だけを守る。沖縄を含む南西諸島・琉球列島や小笠原の島々は守る意思がない。小笠原の島々は東京都なのだが。

さて、わたしは、ここまで書いて、「蛍の光」のことを思い起こした。3月、日本中の学校という学校の卒業式で歌われる文部省唱歌。これには、3番と4番の歌詞がある。

3 つくしのきわみ、みちのおく、
   うみやまとほく、へだつとも、
   そのまごころは、へだてなく、
   ひとつにつくせ、くにのため。

4 千島のおくも、おきなはも、
   やしまのうちの、まもりなり。
   いたらんくにに、いさをしく、
   つとめよわがせ、つゝがなく。

本州、四国、九州(そして北海道)は隔てなく、ひとつになっていて、沖縄や千島から守られている。つまり、沖縄は、琉球処分以降、このかた、ずーっと、守られないのだ。それが、こんなに露骨に、遠慮なく、躊躇なく、明らかになる。そんな時代を、わたしたちは生きているのだ。


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