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2013年11月28日 (木)

「識別」に関する、主語と述語考

中国が、先頃、尖閣諸島周辺に「防空識別圏」なるものを設定したことで、日本も、米国も、大騒ぎをしている。そして、米軍も、自衛隊も、日米両政府も、試しにおそるおそる戦闘機を飛ばしてみて、その反応を探っているようだけれど、無駄なことだ。

「中国にそんな実力や、度胸がいない」とはいいたくないが、それは全く別の目的で設定されているように思えてしかたがない。なぜなら、そこにも歴史上のある種の“既視感”、つまり、「歴史は局面を変えてくり返す」ことが実行されつつあるように思えるからだ。
いまから、約140年前の一連の「琉球処分」における明治政府と清国政府との駆け引きは、1871年の琉球御用船の遭難と、台湾漂着にはじまる。独立国であった琉球王国と清国との間のこの問題に、明治政府は介入し、そこに外交的な突破口を見出していく。
台湾に軍隊を派遣して清国政府を威圧する明治政府。最終的にそれを「保民義挙」として追認してしまう清国政府。こうして、清国政府は意図せざるかたちで琉球が日本の領土であるというフィクションを国際的に認めたことにされる。「琉球処分」の一面は、日本政府のこのような詐術によって国際的に認知されたことになったのだ。
もし、中国が設定した「防空識別圏」なるものを通過せざるを得ない日本の民間航空機について、各航空会社がフライトプランを中国政府に提出したら、「日本人が、尖閣初頭上空を中国の領空と認めた」ことになる。──さよう。「防空識別圏」そのような、詐術のもとに設定されたフィクションなのだ。
しかし、一方で、新しい「琉球処分」の国内的な処理は粛々と進んでいく。
中国が設定したこのラインは、日本が米国との安保体制から抜け出せず、沖縄の米軍基地の問題に対しては、米国の言いなりであり、米国の横暴に荷担しているものであるということを「識別」している。
そして、沖縄県における現代の「三司官」たる自民党の国会議員たちは、東京に召喚(連行)され、きつい訊問の内に、沖縄県民との公約を破棄し、自民党政府の側になったことを、「識別」した。
もともと、有りそうにも無い圧力をありそうに見せかける。そして、フィクションであるはずの危機をさもあるかのように捏造して、反対派を分断しながら、すべてを包摂していく。
中国政府の目論見は破られていくのだが、かわりに“秘密の保護と共有”を基にした新たな局面に入った日米軍事同盟はさらに強化された。そして、日本本土の市民の中にも「識別」されることによる亀裂が深くなっていく。ましては、沖縄のなかに新たに生まれた分断による切断面は、本土のわたしたちに向けられている。

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コメント

こんにちは。
沖縄戦には米軍の従軍牧師や神父が多数いて、住民に宣教していた話が戦時証言に出てきます。
例えば伊差川に作られた教会が「わたしの履歴書(平政也)1995.10.5」に見られます。
http://imgb1.ziyu.net/view/kimuke/1393080104.jpg.html
http://imgb1.ziyu.net/view/kimuke/1393080131.jpg.html
また「同行二人 中村秀雄遺稿集(中村 秀雄)2001.7.30」にも7月頃に伊差川で日曜学校が行われていたとあります。

これら米軍によって作られた教会は一時的なもので、現在に続いているものはないのでしょうか?


投稿: 阪神 | 2014年2月22日 (土) 23:43

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