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2015年2月19日 (木)

言い訳しながら、差別意識を拡大していく人びと〜曾野綾子氏の弁明に寄せて〜

仕事を求めて出郷し、異郷にたどり着いた人びとは、「○○人、お断り」の張り紙で、出自を理由に思うように仕事にありつけなかった。それは、差別のためだろう。また、住むところを探そうとして、これまら、出自を理由にことごとく断られた。これも、れっきとした差別だ。しかたなく、低賃金でも雇ってくれるところをやっと探して、親戚や同郷人のねぐらにむりやり潜り込んだ。


こうして、都市の周縁部分にさまざまな国や地域から出郷してきた人びとの「集住地区」ができていく。そこに住む人びとは、はじめは出稼ぎのつもりだったが、そのうち、帰るに帰れなくなった人も多くいた。そのひとたちは「移民」と呼ばれるようになり、今度は「先住民」の仕事を奪うと攻撃の対象になった。攻撃する者たちはそれを当然の権利だと主張し、される者たちはそれは「ひどい差別」だとこころのなかで思った。


そして、次には、親戚や友人が、その人びとを頼って故郷から出て来るので、その「集住地区」はだんだんと広がっていく。そうすると、周囲の偉そうな「先住民」との摩擦が起きてくる。それも、もともと差別感があるからだ。


そんな、逆境を皆で力を合わせて乗り越えるために、「オクニ」の料理を造り、ささやかに祭りを行い、歌や楽器を「他者」に聞かれないように奏でてみたりした。日本や世界各地にある「リトル○○」は、このような出郷者の血のにじむような努力でつくられてきたのだが、それがたまたま、最近になって観光スポットになり、ガイドブックにも載るようになった。「あそこの料理は、変わっていて、美味い」とか、「あそこでは、ここにはない変わった物を売っている」とか。


だから、これまでさんざん差別をしてきた側の人びとが、いまになって、「『リトル○○』というのも、いいものでしょう」と苦しい言い訳しても、差別の歴史は消えないし、第一それ自体が、より巧妙になった差別の他ならない。


   「自分は決して差別なんかしていない」という差別。


結局、曾野綾子氏は、南アフリカのアパルトヘイトを肯定しているばかりではなく、問題を指摘されてからの言い訳の文章によって、全世界の出郷者たちの努力をあざ笑い、問題をすり替えようとして、かえって、差別の対象を広げて仕舞っています。
実に、愚かで、救いがたい人です。

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